家と暮らし

家と暮らし

家と暮らし
我が家には同じ敷地内に家が2棟あります。
この土地に建っていた築100年の古民家と、同居する両親と新築した家です。
土の環のベースは古民家ですが、暮らしのベースは新居です。
「対照的な家だね」と言われるので、新旧の家にいつて考えてみました。


自然と繋がる家
古民家は骨格は木材、壁は土壁で囲炉裏付きの典型的な昔の日本の家です。
気密性が低く夏は涼しいけど冬はとても寒いです。
隙間から虫が入り込んだりもします。
内と外のあわいとなる縁側があり
窓を開けると家に居ながらにして外をダイレクトに感じれます。
自然を体感しやすいく、自然に影響されやすいつくりです。

自然と分ける家
新しい家は鉄骨で組まれて、耐震性に優れたつくりです。
気密性が高いので冬場窓を閉め切ると段違いに暖かいです。
家に一歩入ると外と内とがはっきり分かれる感じがします。
家の窓から眺める外は絵を眺める感覚に近いのかなぁと思います。

表情の違う二つの家からは、建てられた時代と人の考え方の違いを感じます。


昔の人は土地に住む
古民家が建てられた時代は今のように構造計算することはありません。
職人が経験と勘を頼りに、その場で木を加工して組んでいたと聞きます。
昔の大工さんには「木は生育のまま使え」「用材は木を買わず山を買え」
「木組みは木の癖で組め」という教えがあったと言います。
木を生かし、その土地の環境に合った家をつくることが、家を長く保たせると考えられていたみたいです。
さらに、今のようにコンクリートで基礎を固めることも出来なかったので、その土地自体の安定が不可欠でした。
今にも残る家づくりの風習に地鎮祭があります。
理由を調べたら「その土地に住む神様を祝い鎮め、土地を利用させてもらう許可を得るため」だそうです。
まさに神頼みというか、昔の人は土地に家を守ってもらうことを重要視していたのがよくわかります。

現代は家に住む
一方で新しい家は複雑な計算をもと設計されます。
現場では工場で加工されたパーツを組み立てるというやり方です。
我が家も着工からはあっという間に出来上がってしまいました。
養老孟司さんの著書に「現代は脳化の時代だ」という言葉があります。
次々と組み上げられていく様子を見ていたら、まさに今の家は頭の中で作り込まれたものなんだと思いました。
現代は家の土台となる動かない基礎があれば一定基準の家が建てられる時代です。
田んぼを埋め立てて住宅地にしたり、傾斜地にも平気で家が建てられるようなっています。
土地を選ばなくなり、地鎮祭を行わないケースも増えているみたいですね。


今と昔の折り合い
移住前は古い家を自分で修繕して暮らしたいという思いが強かったです。
でも色々な状況が重なって今の暮らしに落ち着いています。
自分達にとっては新旧の家を合わせた暮らしがいい加減です。
どちらも大事な暮らしの一部として大切にしていきたいと思っています。

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